バトンタッチインタビュー

月刊ジャイアンツ1999年3月号より
インタビュアー 堀田一郎くん
ゲスト     佐藤 充くん

★『スマン、堀田』之巻

堀田:高校(北海)のとき、会ってたんだよね、まこっちゃんと。お互い巨人で会うまで
   面識はなかったけど、オレが3年生の夏、南北海道大会の1回戦で対戦して。この
   とき、まこっちゃんが投げて勝たせてくれたんだよね。            
佐藤:ボクは2年生だったんですけど、なぜか、投げさせてくれたんですよ。監督が期待
   してくれたみたいで。                           
堀田:事実上の決勝戦って言われてた試合だったんだよな。でも、オレはスタンドから見
   てたんだけどね。それにしても、監督、見る目あるよ。まこっちゃんに投げさせる
   なんて。                                 
佐藤:そんなことないっスよ。1ー3で負けたんですから。1ー3ですよね?     
堀田:おぼえてない。でも、泣きじゃくったね。優勝したと思ったもん。ここ(駒大岩見
   沢)に勝てば優勝も同然だったから。バリ気合いが入ってたもんな。      
佐藤:ボクが投げなければよかったんですよね。決勝で投げればよかったんですよ。  
堀田:・・・・・。                               
佐藤:しーーーーーん・・・。そして、スマン。                  
堀田:(ひたすら爆笑)。                            
佐藤:北海道新聞の1面に出たんですよね。一郎さんが2年生の秋に。『スマン、堀田』
   って、見出しが。                             
堀田:そう。試合中にぶつかって骨折して、試合に出られなくて。          
佐藤:で、ボクたちが優勝して、甲子園の出場を決めたんだけど、北海が負けたときに 
   『スマン、堀田』って新聞に出たんですよね。甲子園に連れて行けなくってスマン
   てね。それで、どっかで見たことある名前だと思って一郎さんに聞いてみたら、 
   『スマン、堀田』の堀田さんは、やっぱり一郎さんだった(笑)。       
堀田:そんなこともあったなと、まこっちゃんに思い出させてもらったよ。      
佐藤:でも、巨人で会うまで、全然知らなかったですよね。             
堀田:オレは、まこっちゃんがプロに入ったとき、"ああ、あのときの"と思ったよ。で、
   巨人に入ったとき、まこっちゃんたらオレのことシカトしてるんだもん。    
佐藤:(笑い)シカトじゃないっスよ、全然。だって、知らなかったんです。一郎さんの
   こと・・・。                               
堀田:いつ菓子折り持ってくるかと待ってたんだけど、全然、来なかったね。     
佐藤:ちゃんとあいさつ、したじゃないですか!                  
堀田:そうだっけ?うーん、そんなような気がしてきた・・・。           

★『日焼けクリーム』之巻き

堀田:なんで、そんなに顔が黒いの?                       
佐藤:黒いっスか?                               
堀田:黒いよ。(日焼けクリームを)塗ったな。                  
佐藤:塗ってないですよ。                            
堀田:前科があるもん。                             
佐藤:そんなこともありましたね。北海道で1回塗りすぎて、顔と耳と首の色が全然違う
   ことがあったなぁ(笑い)。                        
堀田:オレたち色が白いから、塗るだけで小麦色になるやつを塗るんだよな。     
佐藤:そう、そう。                               
堀田:北海道人だから、すごく色が白くなっちゃって。で、一昨年、まこっちゃんが  
   「これ、いいですよ」ってくれたのがあって、塗ったらムラができちゃってさあ 
   (笑い)。                                
佐藤:カビみたいでしたよ。                           
堀田:カビ生えてるみたいだった(笑い)。でも、真っ白い肌はイヤなんだよ。で、また
   まこっちゃんが仕入れてきたんだよね、日焼けクリーム。           
佐藤:今度のはムラにならないけど、その代わりムチャクチャ黒くなるやつ。グアムから
   帰ってきて、北海道で塗ったんですよ。グアム帰りって見せたかったし、せっかく
   焼いたのに、落ちてきたのもあって。そしたら全部、色違くて。首と耳の後ろと顔
   が。母さんにも「あんた、何か塗ったの?」って聞かれるくらい(笑い)。1日、
   5回くらい顔を洗って、ようやく落ち着きましたけどね。           

★『魅惑のバナナボート』之巻

堀田:グアムはだれと行ってきたの?                       
佐藤:投手会で行ってきました。でも、あいにくの雨続きで、あまり焼けなかったんです
   よ。                                   
堀田:何して遊んだの?マリンスポーツとかしなかったの?             
佐藤:した、した!バナナボート!                        
堀田:えっ、バナナボート?                           
佐藤:バナナボートとジェットスキーをしましたよ、趙さんと一緒に。趙さんがやろうと
   言うので、やさしい趙さんのポケットマネーでやらせてもらいました。     
堀田:楽しそうだね。                              
佐藤:バナナボートは、本当は5、6人で乗るもので、最初は趙さんと2人きりでさびし
   かったんだけど、途中から入来(祐作)さんと平松さんも加わって、楽しかったで
   すよぉ。                                 
堀田:いいな、オレも乗ってみたいな。                      
佐藤:でね、初めは平松さん、乗るのイヤがってたの。でも乗ったらすごい喜んでた。 
   入来さんなんて、「いいか、オレのこと、隊長と呼べ」とか言って、先頭になって
   一生懸命こいでた。「隊長、落ちそうです!」「頑張れ!」とか掛け声をかけて 
   (笑い)。                                
堀田:おもしろそー(笑い)。                          
佐藤:あとね、ショッピングセンターの売り場のおばさん、ノーブラだったんですよ。 
   やっぱり外国って大胆なんだなって。ボクも外国人になりたいと思いましたよ。 
   じゃなければ、透明人間になりたいね。                   
堀田:理解できないよ、オレには(笑い)。                    

★『なぜ居留守?』之巻

佐藤:ボク、よく一郎さんの部屋に行くけど、居留守使われるんですよね。電気がついて
   るから、部屋にいるのわかるのに。                     
堀田:・・・・・(笑い)。                           
佐藤:「一郎さん、一郎さん」ってドアをノックすると、テレビのボリューム小さくなっ
   ていく。まるっきり、居留守じゃないですか!で、今度はドアの前で電話をかける
   と出るんだよね、これが。言い訳が「寝てた」とか「下に行ってた」とか。ばれて
   るって。                                 
堀田:実際そうなんだよ(笑い)。                        
佐藤:なんでそんなこと、するんですか?                     
堀田:だって、まこっちゃん、何しにくるのかわからないんだもん。意味ないでしょ? 
佐藤:意味がなくたって、いいじゃないですか(笑い)。              
堀田:すぐ部屋に入りたがるし。少しドアを開けると、ガッてムリヤリ開けて、入ってこ
   ようとする。                               
佐藤:用がないと入れてくれないんだもん(笑い)。                
堀田:疲れてるんだよ。                             
佐藤:入ろうとすると、すっごいイヤな顔して「いいよ、入ってくんなよ」って。   
堀田:「何の用?」って聞くと「いや、ちょっと・・・」って言って入ってこようとする
   からさぁ。                                
佐藤:一郎さんがドアを開けてくれないから、一郎さんをだまして、ドアを開けさせたこ
   とがありますよね。                            
堀田:だまされたよ。あれは間違ったね。                     
佐藤:副寮長のまねをしたら、まんまと・・・(笑い)。              
堀田:もう、だまされないからな!それにしても、まこっちゃんは、オートロックのシス
   テムのドアなのに、いつもかぎをつけっぱなしなんだよな。オレらも自由に入って
   いけるの(笑い)。                            
佐藤:いつでもどうぞ(笑い)。                         

★『いつもの、いつもの』之巻

佐藤:それにしても一郎さん、試合中、よく声を出してますよね。          
堀田:マコトのときは、バリ声出してるよ。                    
佐藤:「さあ、いこっ!」「頑張って、まこっちゃん」って聞こえてきますよ。    
堀田:なんか応援したくなるんだよ。それなのに、まこっちゃんはベンチでふざけるから
   さあ。「いつもの、いつもの」って掛け声、なんだかわからないんだよ。「いつも
   の」ってなに?                              
佐藤:なんですかねえ。「さあ、一郎さん。いつもの、いつもの!」って言うんだけど、
   聞いている周りの人も「いつものって何だよ?」って(笑い)。        
堀田:もう笑いこらえるのに必死だよ。                      
佐藤:前にボクが打席に立ったとき、一郎さんが仕返しで「いつもの、いけーっ!」って
   言って、そうしたらガッって打ったらベンチに飛んじゃって、一郎さんに当たった
   んですよね(笑い)。                           
堀田:オレが「いつもの」って言ってるのは、渡辺久信さんからまこっちゃんがきれいな
   ライトゴロを打ったことがあって、あのライトゴロを見せてくれって願いがこもっ
   てるんだよ。記録はヒットだったんだけど。                 
佐藤:あれはアウトだろうと、かなりブーイングがでたやつですよね(笑い)。    
堀田:そう、そう(笑い)。あー、もう笑い疲れたよ。これで最後にしよう。今シーズン
   の目標は?                                
佐藤:開幕一軍。それがダメならニ軍で開幕投手。けがなく順調にいってればですけど。
堀田:それで終わり?                              
佐藤:むずかしいですよね。だって、やるしかないじゃないですか。やらないと結果は出
   ませんしね。                               
堀田:いいこと言うねえ。                            
佐藤:口で言ってもしょうがない。やるしかないんですから。            
堀田:ということで、やっと終わったよ。ホント、疲れた・・・。          
佐藤:もう少し、話しましょうか?                        
堀田:いいって。で、次回のゲストはどうするの?                 
佐藤:そうですねえ。それは秘密ということで、楽しみにしてて下さいね。もしかしたら
   一郎さんかもしれませんよ。                        
堀田:やめて!                                 


堀田一郎
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